【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !
第2章 夏に濡れ衣ぎを着させたい
。。。。
「出席になってたで」
休憩中、特にすることもなくあり余った時間で俺はふらっと治のクラスの屋台前までやって来た。
二組の屋台の焼きそばを差し入れに渡しながらついでに治の居場所を同級生から聞いた所、近くにあるお祭り会場の本部にいるらしい。その本部へ向かいながら念のため、スマホで治の位置情報を確認して本部付近に留まっていることが分かると音声メッセージで治に「近くにおるからはよ来いよ!」と残して送信した。
治の同級生がくれたきゅうりの浅漬けを、本部付近の邪魔にならない地べたの端っこに座り頬張っとると角名がりんご飴を片手に帰ってきた。
「なんや、おらんのに出席になっとるん?」
「そうっぽいな。 なんか用あったん」
「いいや、別になんもあらへんよ。聞きたいことがあっただけや、おらんならおらんで別にええよ」
(祭りならあいつの弟も来とると思ったんやけどな…)
「でも、学校のイベント休むなんてそうそうないよな?」
「なんや、水田さん欠席ちゃうんか?」
俺の問いかけに答えたのは角名ではなく、いつの間にか目の前にいる自分と瓜二つの姿の治だった。
片手に持っていたペットボトル二本を俺と角名に差し出し、俺はそのまま手に持ったまま、角名は受け取ると自分の靴と靴の間に割り入れ、治は俺の隣にゆっくりと座った。