第11章 過去
次の日、風丸がキャラバンを抜けて東京へ帰ったと監督から知らされた。
みんな監督への不信感が募る。
それでもエイリア学園との戦いは止まらない。練習をしなければならない!
鬼道を筆頭に練習を始めようとする選手たち。
しかし、円堂はそこから動こうとはしなかった。
秋が円堂にボールを差し出すが、円堂はそれを押し返した。
「練習、できない。」
「どういうこと?」
「今の俺はサッカーと真っ正面から向き合えない。ボールを蹴る、資格がないんだ。だから、それまでボールを預かっておいてくれ。」
円堂はそのまま1人で校舎の屋上へと上がっていった。
円堂は1人、考えていた。
ヒロトのこと、吹雪のこと、風丸のこと。
雨が降ってもそのまま……
次の日になっても……
夏未、秋が円堂に声をかけに行くも、円堂の瞳は光を失ったまま。
円堂だけじゃない。
みんな悩んでいた。苦しんでいた。
練習をしていてもうまくいかないことが続いた。
練習に集中できていないのだ。