第10章 陽花戸中サッカー部
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「ここにいたのか。」
その声に振り向くと、円堂が登ってきていた。
円堂は吹雪の隣で眠る椿を見て少し申し訳なさそうにしながら吹雪の隣に行く。
吹雪は椿の頭を肩から下ろして椿を寝かせた。
そして円堂と2人、寝転がりながら空を見上げる。
空が、星が、北海道にいる時よりも近くに感じた。だからアツヤとも近い気がした。
「ねぇ、イプシロン戦のとき、僕変じゃなかった?」
吹雪は「変だった」と言って欲しかったのかもしれない。だけどそんなことを知らない円堂はそんなことないと否定する。そして、吹雪のおかげで同点にできたのだ、と褒める。
必要とされているのはディフェンダーの士郎じゃない。フォワードのアツヤ。
吹雪は複雑な気持ちになって、円堂から目を逸らしたくて椿の方を向く。
椿はいつもみたいに気持ちよさそうに寝ている。いつもならこの寝顔を見るだけで気が少し楽になるのに、今回はならなかった。
円堂は下に立向居を見つけて上に上がるように言った。
円堂と立向居は裏ノートの究極奥義について語らう。