第10章 陽花戸中サッカー部
福岡にある陽花戸中に円堂の祖父、円堂大介のものと思われるノートが見つかったという。
今まで数々の必殺技を生み出すヒントとなってきたノートだ。
そのノートは裏ノートと呼ばれていた。なんでも、円堂大介ですらものにすることの出来なかった究極奥義が書かれているという。
そこで、陽花戸中のサッカー部を紹介してもらった。
陽花戸中サッカー部の1年でゴールキーパーの立向居勇気は円堂に憧れてミッドフィルダーから転向したらしい。そして、見様見真似で習得したゴッドハンドを披露して見せた。
陽花戸中と雷門で合同練習もした。
すごく身になる時間だった。
夜、椿は吹雪がキャラバンから抜け出したのを見てついて行った。吹雪はキャラバンの上に登って空を見上げる。
「士郎?」
「きーくん。どうしたの?」
「士郎が出て行くの見えたから。隣いい?」
吹雪が頷いたのを確認して椿は吹雪の隣に腰を下ろす。
2人で何も話さずに空を見上げる。しばらくすると椿は眠くなってきて寝てしまった。夜に眠くなるなんてことなかってはずなのに、最近は吹雪が居てくれるとすぐに寝てしまう。
「きーくん、寝た?」
「すぅーすぅー」
「寝ちゃったね。」
吹雪は自分の肩に頭を乗せて眠る椿の頬を撫でる。
「いつもいつも、僕のこと心配してくれてありがとう。大好きだよ。」
吹雪は小さく呟く。
そしてまた空を見上げる。