第5章 白恋中サッカー部
「おい、今のどういうことだよ。」
と、そこに3人目の声。
「きーくん。そういうのはもうちょっと声を潜めていうものだよ?」
4人目の声。
「一之瀬!?吹雪!?」
風丸は驚いて声が裏返った。
「風丸が遅いから見にきたんだよ。で、北条。今の説明してくれ、お前が女だってどういうことだ?」
「えーっと、そのー。うーん。」
椿がどう返事しようかと迷ってた時、
「そのままの意味だよ。きーくんのお母さんがきーくんを跡取りにしたくて、男として育てたってだけで、きーくんは普通の女の子だよ?」
吹雪が代弁した。
「てか、俺的にはなんで風丸が知ってたかの方が謎。」
椿は一之瀬が頭の中で情報処理をしてるのを無視して風丸に向き直る。
「お前が熱を出したとき、俺は苦しんでるお前を置いて外に出たくなかったからキャラバンに残ってたんだ。そしたら監督に女子の着替えをのぞくつもり?って言われて。」
「なるほど。んで、のぞいたってことだな。うん。理解。」
椿は風丸をからかう。心なしか、顔も悪い笑みを浮かべている。
「「のぞいた!?」」
それには吹雪も一之瀬も反応。
「み、見てないぞ!俺は見てない!」
風丸も焦る。
いや、のぞきはしたかもしれないが、別に見てはいない。うん。俺は嘘をついてるわけじゃない。
「あははは!」
椿は腹を抱えて笑う。
こんなに笑う椿は珍しい。