第5章 白恋中サッカー部
「まさか2人が知り合いだったなんてな。」
円堂は椿が寝たのを確認してから吹雪に声をかける。
「きーくんは僕のお兄ちゃんみたいな人だったんだ。勉強とかいろいろ教えてくれてね。昔僕が住んでたところの近くに北条家の別宅があって、長期休みになるといつも一緒に遊んでたんだ。さすがお金持ちだよね。」
「さっき北条が言ってた、お前がいないと寝れないってのはどういう意味だ?」
鬼道が吹雪に聞いた。
「きーくんはお母さんが怖くて寝れないんだけどね、僕の家に泊まりに来たり、僕が泊まりに行くとお母さんが来ないから寝れるんだって。それから僕が近くにいれば寝れるようになったって言ってた。」
「夜もか?」
「うん。」
鬼道は驚いた。夜寝たってだけでここまで体調を崩す椿が吹雪が近くにいるってだけで寝れるというのだから驚くのは当たり前だろう。
「夜寝れたら昼間は起きてられるのか?」
「うーん。どうだろう。無理してないわけじゃないと思うけど、起きてる時もあったよ。でも基本的には寝てたね。あ、でも、夜寝れなくなったのって、そんなに昔じゃないんだよ?昔は普通に夜寝て、朝起きてたしね。」
風丸は考える。
家に泊まっていたなら吹雪は北条の性別を知っている?でもそれを確かめることはできないか。俺がそれを知ってることを言ってはいけないから、もし吹雪が知らなかったら俺が教えたことになる。