第5章 白恋中サッカー部
しばらくしてご飯ができたとマネージャーたちに呼ばれみんなが席に座る。
「北条くん?こっち来れる?」
秋に呼ばれて椿は少しフラフラしながらも席に座る。
「はい、お粥。」
「ごめん、ありがとう。」
椿はゆっくりお粥を食べる。
でも少し食べただけでクラクラして来た。
「おい、大丈夫か?」
「急に食べたから。大丈夫。ゆっくり食べる。」
風丸は隣で机に突っ伏す椿を気にする。
椿の逆隣には吹雪が座っていた。
「きーくん、どうしてそんなに体調悪いの?」
「夜に寝たってだけだ。」
椿の向かいに座っていた鬼道が吹雪の問いに答える。
「あぁ、きーくんは本当にお母さんが嫌いなんだね。僕も嫌いだけど。」
「嫌いだし、怖いし。無理。」
吹雪に向かって椿も言う。
「僕、昔あの人に『うちの椿をサッカーに引き込むなんて最低!悪魔め!』って言われたよ。」
「うわ、初耳。ごめん、そんなこと言ってたのあの人。俺がサッカーやり始めたのは父さんの影響だって何回言っても納得しないんだよな。」
「それに、いつもきーくんに監視付けてるのも嫌だったな。閉じ込めたりするし。」
「監視?閉じ込める?」
風丸が2人の会話に割って入る。
「俺が北条家の跡取りに相応しくない行動をするとすぐ母さんに言いつける奴らのこと。あと俺、中学入るまで家と北海道の別宅と士郎の家以外行ったことなくて。あいつらのせいだな、俺がグレたの。」
「それ監禁じゃん。」
吹雪の前の席で話を聞いていた土門も口を挟む。
「俺にとってはそれが普通。」
椿たちは少し雑談をしながらご飯を食べる。椿も少しずつではあるがお粥を食べていた。