第4章 旅立ち
「よし、特訓始めるか!」
円堂の掛け声でみんなが森へ入っていく中、椿は起きない。
「北条くーん。みんな練習行っちゃったわよ?」
「ん。もうすぐ行くから。眠い。」
秋に声を掛けられても椿は寝続ける。
「なんか逆にすごいですね。どこでも寝られるみたい。私、北条先輩が起きてるところほとんど見たことないです。」
1年生のマネージャー音無春奈が言う。
「よし!!起きた!」
その瞬間、完全に目を覚ました椿は叫んで森の中に入って行った。
「なんなのかしら。私は練習もろくにしない選手みたいで嫌。」
2年生マネージャーで雷門中学理事長の娘、雷門夏未が言う。
「でも実力はあるんですよね、彼。」
マネージャーたちはいつも一生懸命に努力をして強くなっていく円堂たちを見ていたため、ほとんど練習に参加しない椿に対して疑問を持っていた。