第3章 雷門中サッカー部
瞳子は椿を連れて病院に来ていた。
幸いにも、目薬をもらいそれを毎日つけて安静にしていれば一週間ほどで完治するという。
椿は学校に戻って雷門イレブンに自分の家庭事情を話し始めた。
「俺の家はさ、結構な大財閥って感じで。今の当主は俺のじぃちゃんなんだ。じぃちゃんの跡を継ぐのは俺の父さんのはずだった。長男だったから。なのに父さんは病気にかかって、死んだ。母さんもそこそこいい家柄なんだけど、お前らは分家だからっていつも蔑まれてたらしくて。だから母さんは本家にこだわってる。このまま行くとじぃちゃんの跡取りは俺なんだけど、父さんには弟がいるからその人が跡取りになるかもとか、その人の子供で俺の従兄弟の恭介が俺より年上だから恭介が跡取りになるかもとかいろいろ言ってて。だから俺をどうにかしてでも跡取りにするんだって。ちょっとおかしいんだ、あの人。本当に迷惑かけてごめんなさい。」
「別に迷惑なんかじゃないぞ!お前はもうチームメイトだ。そんなこと迷惑なんて思うわけないだろ?」
「ありがと」
椿は円堂に微笑んだ。
「ところで、俺みんなの名前知らねぇや。教えてくんね?」
雷門イレブンは順番に自己紹介をした。
その日の夜はみんなで学校に泊まり、楽しく過ごした。