第3章 雷門中サッカー部
数十分後、校庭に黒の高級車が乗り入れてくる。
そこから女性が降りて来た。
後ろには執事も付いている。
「椿!まだサッカーなんかやってたの!?勉強はちゃんとやってるの?ご飯は食べてるの?あなたは北条家の跡取りなんだからもっとしっかりしてもらわないと。」
その女性、椿の母親である実和子は椿を見つけるや否や椿の肩に手を置き問いただす。
椿は恐怖で震え、下を向く。
「ちゃんと、やってます。」
「そう。監督は?」
「私です。」
瞳子は実和子の前に立つ。
「あのねぇ、うちの椿は北条家の大事な大事な跡取りなんです。サッカーなんかにうつつを抜かす暇はないんです。しかもエイリア学園と試合だなんて。危険じゃないの?私は反対です。椿は行かせません。」
「母さん、中学卒業までは俺の自由のはずでは、」
椿は意を決して実和子見て言うが、無視される。
「お母さん。確かに危険なこともあるかもしれませんが、本人も行くと言ってます。」
「この子に自由はないのよ!この子がいないと私はまた除け者。この子が跡取りにならないと本家に入れないじゃない!」
実和子は椿を指差して叫ぶ。