第3章 雷門中サッカー部
予定よりだいぶ時間が掛かったがやっと試合が始まる。
椿は先ほどの洸平とのやり取りで体力をほぼ使い尽くしてしまっていた。
「キャプテン、まじ無理っす。眠い。」
「知るか!」
「ちょっと寝まーす。」
椿はその場にしゃがみ込んでしまう。
その様子を見て雷門のストライカー染岡竜吾は怒りをあらわにする。
「んだよあれ!舐めてんのか!?」
染岡はボールを持ちゴールを目指す。
が、そこで急に椿が目を開けずに立ち上がった。
「睡拳、槍の森」
椿は呟く。
そう、これが椿の必殺技。
睡拳は眠ったまま戦う格闘技のこと。そして、この必殺技は上から槍が降ってくるようなもの。この槍たちに阻まれてストライカーはゴールにたどり着けないのだ。
「な、なんだ今のは。」
「あいつ、目閉じてたよ!」
驚く雷門イレブン。
「これが北条のサッカーだ。」
洸平は近くで驚いていた鬼道に言う。
椿は染岡からボールを奪い、すでに雷門ゴールの近くにいる仲間にパスする。
そのシュートは円堂によって止められてしまう。
でも、雷門イレブンは椿がいるおかげで1点も取れない。
雷門イレブンは守りに徹することになる。
試合終了。結果は0-0の引き分け。