第3章 雷門中サッカー部
椿を起こすまでの1時間、両校の生徒たちは交流を深めていた。
そして鬼道は先ほどの部屋にやってくる。
「おい、北条。1時間経ったぞ。」
鬼道は椿の肩を揺らす。ん、と少し声を上げて椿の瞼が持ち上がる。
「ふぁぁ。ん?鬼道か。もう1時間。時間の流れは早いな。」
椿はそう言いながら立ち上がり部屋を出る。鬼道もそれに続く。
椿は数歩歩くとあくびをし、また数歩歩くとあくびをする。
そんな椿を見て鬼道は純粋に気になったことを口にした。
「なぜそんなに眠い?なぜ昼間に寝る?なぜあそこで寝てた?」
「質問多いな。俺ん家って結構めんどくさいんだよ。そんで睡眠障害になった。だから常に眠いんだ。昼間は特に。んで、家に帰りたくないから俺はあそこに住んでる。」
椿は正直に答えた。
鬼道は驚く。住んでるだと!?学校って住めるのか?いろいろな疑問がまた浮かぶ。こいつと話してたら頭がパンクしそうだ。と頭のいい鬼道が思うのだった。
「キャープテーン。起きましたー。」
椿はすこし遠目から洸平に声をかける。
「てめぇ、わざわざ皆さんが来てくださったのに自分勝手に寝てるとは何事だーー!!」
洸平は椿に向かって走り、飛び蹴りをお見舞いする。
ぐへぇ、椿はそんな声を出し地面に倒れる。
「おい!大丈夫か!?」
鬼道は、倒れた上に洸平に胸ぐらを掴まれまた立たされている椿を心配する。
「いつものことです。放っておけばすぐにいつもの仲良しに戻りますから。」
椿たちのチームメイトは鬼道にそう言って、鬼道を雷門イレブンのもとに連れてくる。