第12章 炎のストライカー
椿は撫でられた感覚で目を覚ました。
やっぱり豪炎寺はすごいのだと感じた。豪炎寺のファイアトルネードは立向居のゴッドハンドを簡単に打ち破った。
立向居が返して来たボールを鬼道が吹雪へとパスしたが、吹雪は動くことができなかった。
「僕、このチームのお荷物になっちゃったね。」
「そんなことはない。雷門にはお前が必要なんだ。よーし、みんな、もう一踏ん張りだ!ボールはいつも、俺たちの前にある!」
円堂はそう言った。
みんなそれに賛同して声を上げた。
その後、みんなで練習をした。
「士郎、眠い。」
椿は休憩時間になると、すぐに吹雪の元に行っては吹雪の肩にもたれて眠ろうとした。
椿なりに、吹雪の側にいてあげようとした結果だ。
「きーくん、自分で立ってよ。」
「や、眠いもん。」
「しょうがないな。」
吹雪は椿の頭を撫でた。
「俺、それ好き。」
「え?」
「士郎の手、優しいから。だからそれ好き。」
「それってこれ?」
吹雪はそう聞きながらまた椿を撫でた。
「そう、それ。」
椿はそう言うと目を閉じて、眠ってしまった。