第12章 炎のストライカー
円堂は刑事にお礼を言った。
「礼なら土方に言ってくれ。」
「えぇ!?やめてくれよ!おやじさんとは親父の代からの付き合いだ。これくらいどうってことないさ。」
刑事も土方も照れてそう言った。
「いや、お前がいなかったら俺は。……お前がいたから爆熱ストームを完成することができた。ありがとう、土方。」
豪炎寺はその後、久々の雷門は最高だったと答えた。
そして、みんなで楽しくサッカーをした。
吹雪はその間、隣に座って眠る椿のことを気にかけつつずっと空を眺めていた。
そんな吹雪のもとに転がってきたボールを豪炎寺が取りに来た。
「ボールが怖くなったか?……怖くて当然だ。俺も怖い。怖さを抱えて蹴る。それだけだ。」
「怖さを抱えて蹴る。」
吹雪はそう繰り返してから椿を見た。
母親に反対され、サッカーをやるだけで怒られてしまう椿。椿もいろんな意味でサッカーが怖いのだろうか。
そのとき、円堂が豪炎寺と吹雪に立向居の相手をしてあげてほしいと言ってきたので、吹雪は椿の頭を一撫でしてからボールを持ち直して立向居のいる方へ向かった。