第12章 炎のストライカー
「おかえり!」
円堂が豪炎寺に向けてそう言ったのを境に、周りのみんなも豪炎寺の帰りを喜んだ。
「ありがとう。」
豪炎寺はみんなに向かってそう言うと、監督の方へ向き直った。
「監督!」
「おかえりなさい、豪炎寺くん。」
「ありがとうございました!」
豪炎寺はそう言って監督へ頭を下げた。
「あの時、監督が行かせてくれなかったら、俺はあいつらの仲間に引き込まれていたかもしれません。」
「さぁ、なんのことかしら。」
監督はそう言った。
みんな、豪炎寺の言う、"あいつら"が分からず少し疑問を口にした。
「そいつは俺が説明しよう。」
「刑事さん!」
土方と共に現れた刑事がそう言った。
「豪炎寺が姿を消したのには訳がある。妹さんが人質状態になっていたんだ。」
「え!?夕香ちゃんが?」
「エイリア学園に賛同するものと自称する奴らが妹さんを利用して、仲間になるように脅してきたんだ。」
「そうだったのか。でも、一言言ってくれれば!」
「言えなかったんだよ。口止めされてたんだ。もし話したら妹さんがどうなるか。ってな。だから我々はチャンスを待つことにした。時が来るまで豪炎寺をそいつに預けてな。」
刑事は土方を指差して言った。
「おやじさんってきたらひどいんだぜ。人を隠すには人の中とか言ってさ。まぁ、うちは家族の1人や2人増えたってどうってことないけどな。」
「我々はまず、妹さんの身辺を探った。敵の実態がわからんし、人質のことがあったんで、慎重にな。調査にはかなり時間がかかってしまったがようやく、妹さんの安全を確保できたんだ。」