第12章 炎のストライカー
デザームの本来のポジションはフォワードなのだという。
円堂大介の必殺奥義が破られたことに雷門イレブンはショックを隠しきれなかった。
そして前半が終了した。
後半はみんなで積極的にゴールを狙いにいくことになった。
「円堂さん、感じたことを言ってもいいですか?」
立向居は後半が始まる直前、円堂にそう話しかけた。
「ああ、なんだ?」
「正義の鉄拳はすごい技です。見ていても、欠点があるとは思えません。ただ…」
「ただ?」
「初めてマジン・ザ・ハンドを見たとき、あまりの凄さに雷みたいな衝撃が体を走ったんです。でも、正義の鉄拳にはそんな衝撃みたいなものを感じませんでした。なんというか、ライオンはライオンでもまだ子供を見ているようというか。」
「子供?」
「すみません。感覚的なことしか言えなくて。」
「いや。立向居、ありがとう。後半頑張ろうぜ!絶対勝とうな。」
「はい!」
そして後半が始まった。
デザームは雷門への興味がなくなったために今からはお前らを潰しにいくと宣言した。
宣言通り、デザームはどんどん雷門イレブンを蹴散らしていく。
ゴール前で椿、塔子、壁山が止めようとするが、それをも貫いてデザームの放ったグングニルは円堂の元へと飛んでいく。
正義の鉄拳で止めようとした円堂だが、それでもグングニルの勢いは止まらない。
それをゴールポストを利用して綱海が止めた。
捨て身のディフェンスである。これでやっと止められるという強さ。次も止められるのだろうか。
次のグングニルで雷門全員が倒れてしまった。そして、ボールはデザームの手に。