• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第42章 モデル


アキとは初対面から話しやすかったが、やっぱりまだ竹ちゃんとの壁を感じてしまう。



「俺の前髪で遊ぶなっつーの」

「直毛なおすならワックスじゃないか?兄貴もそうやってるし」

「マジ?これどうにかなる?」

「種類までは知らないけど、ユウの雑誌で載ってなかったか?パーマかけるとかアイロンでなおす気がしたんだけど…」



話を振られてハッとする。
アキは本を読むスピードが異様に早い。
文字だけじゃなく、本当に読んでるのかと思ったけどあのスピードで記憶していたとは。



「竹ちゃんはガチガチに固めるスプレーと、後から再調整できるワックス、どっちの方がイメージ的に使いやすいかな?」

「再調整できるワックスの方が嬉しいけど、前に大ちゃんに弄ってもらったけど上手くできなかったし…。ユウは髪の毛は柔くていいな」

「あはは…。俺は逆にくせ毛特有の悩みがあるけどね。もしそれがハードワックスなら握り込むように馴染ませていくんだけど…」

「じゃあさ、明日持ってくるからやって見てくんね?」

「えっ…」

「口で言われるより見た方が早いし。ダメならダメで諦める。美容師さんに聞いても、イマイチ分かんなかったんだよなぁ…」



俺の説明不足のせいで実践することになってしまった。
他人の髪をいじったことがない。
どうしよう。
困った。

チラッと助け舟を送ろうとアキを見てしまった。



「いいんじゃないか?ダメだったら俺がサイヤ人にしてやる」

「いじられキャラじゃねぇかよ!!」

「最強のサイヤ人だぞ。応援団にサイヤ人」

「それ。いいなァ」

「応援団は良いのかよ」

「ハメハメハ―応援とかどうよ?面白そうじゃね?」

「あー…部長に案として伝えてみるか。竹ちゃん発案ですがどうでしょうかって」

「そこはアキの名前で売名しようぜ」

「俺の名前だせば何でも通ると思うな」

「モデルの写真撮った時も髪、弄られたりしたの?」

「ああ、もう色々。至り尽せりでビビったわ」



話しはまたアキの方へと戻って行く。
これは「やれ」じゃなく「シャイボーイ、頑張ってみろ」ってことなのかな。

竹ちゃんは悪い子じゃない。
ちょっと威圧的なだけでイイ子なのだ。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp