第38章 轍 *
臍に向かって立ち上がっているモノを握られ、主任の指で直接擦られている。
「ぁ…ん…っ…」
「気持ちいい?」
「うん…」
「湊。俺の…確認したい?」
「…ん…」
興奮した主任のモノも確かめたい。
俺の男性器を目にしてもなお、萎えていない証拠を確かめたい。
嫌な記憶を上書きしたい。
おそるおそる腕を伸ばし、持ちがった布の上から本物の形を捉えるように指先を這わせる。
「どうだ…?」
「…おっきい…」
「そのおっきくなったのを、湊のなかに挿入れたい」
「…ぅん…、ほしぃ…」
欲しくて欲しくて少しだけ力を入れて擦り合わせる。
すると興奮した牛垣主任が熱息を零す。
すべての服を脱ぐと引き締まった肉体美を目にし、雄雄しい肉竿がビンビンに反り上がっていた。
「ん、ふぅ……」
シャワーを浴びながらお互いの肉体を求めるように触り合う。
肌と肌を擦り合わせているだけで高揚する。
早く入れて犯してほしいのにまだ触っていたくて。
「うっ…」
「悪い…。痛かったか?」
「そ…いうわけでは…。久しぶりで、その…あんまり弄ってなくて…。早く、牛垣主任のが欲しいんですけど、その…ちょっと、自分で弄っていいですか…?」
股間はクリアしたが肛門で幻滅される可能性もあった。
男の体をマジマジ見たことないだろうし角度によっては陰茎だけでなく睾丸もあるわけで。
「オナニーしてるとこ、見てていいってこと?」
「!?…イヤ、ちがっ」
幻滅ばかり考え、自分を擁護していない発言だった。
主任はニヤリと笑ってみたいと口にするし、逃げ切る言葉を考えていたらみたいと今度はお願いされてしまった。