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【R18】Querer【創作BL】

第33章 𝐋‌𝐎‌𝐂‌𝐔‌𝐒 *







「通りで空気が重かったのか。
勝手なことをしたな。
お前たちのことを考えているつもりで
考えてなかった」


「そうか。
そうだったのか……」





コーギーのことは憎かった。
でも感謝していることも少しはあった。

突然殺されて驚いて
セドリックに話したばかりに
自分のせいで
追い込んでしまったのかと思った。





「親父!! もう大丈夫なのか!?」


「おおう、ヘル。
体が楽なんだ。
内側から火が噴き出てるみたいにな」


「薬が効いてきたんだな。
よかった」


「今でちょうど10分だ。
ウォーカーが復活した!! ふぅ!!」





ウォーカーがベッドから起き上がり
歓声を受ける。

ケンジはオピオイドが効きすぎて
ハイテンションになっているんじゃないかと
心配になった。





「ウォーカー、はじめまして。
俺は日本人の医学生、ケンジ・ニイヤマだ。
吐き気や眠気、
ムカムカしたりしてない?」


「ないな。
お前が魔法の水をくれたのか?」


「あれはオピオイドっていう鎮痛薬だ。
痛みの評価をしたい。
ウォーカーはかなり我慢強いとみてる」





0~10と書かれた視覚的評価スケール。
10段階で評価され
10が死んでしまうくらい強い痛み、
0は全く痛みのない状態だ。

ウォーカーは迷いながら指をさす。





「魔法の水はまだあるのか?」


「あるよ。
だけどその前に医務室で検査していい?
痛みの原因がある
お腹を調べたいんだ」


「医者は嫌いだ」


「検査が終わったらすぐここに戻れる。
医者も看護師もあまり
入院させたがらないんだ」


「ここを出たくない」


「ここは介護施設じゃない。
サバクト刑務所だ。
療養のため追い出されるのは
今まで聞いたことがない。
そうだろう?」


「ふむ…」





モラたちの説得もあって
ウォーカーは聞く耳を持ち、
歩ける足で医務室で検査を行ったのであった。


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