第4章 疑念
今更ながら疑念を角に蒸し返され、
佑都の寝顔を見納めてから寝室に戻る。
(ユウにも、確認してもらおうか…)
ユウに佑都の写真を見せたとき、
似てる似てないのと聞いた覚えがなかった。
だから改めて聞きたいと思ってしまう。
(それよか、
角には無理して出てくるなと言ったが…
出社してくるんだろうか…)
微熱だから、
あとはもう一寝りしたら治ると言っていた。
高熱が一時的に引いたとしても油断はできない。
社員メールは会社にいるときしか分からず、
個人的な連絡先は携帯番号のみ。
帰る間際に、
角からLINEを提示してくれた。
その行動に驚いたが迷わず登録。
車の中でわずかに頬が緩み、
距離が縮まっていく段階を噛みしめながら
心の中に留めて置くことを選んだのであった。