第4章 疑念
そうした中で生まれたのが佑都。
この子が俺の子なんだと思うには時間を要し、
接するうちに少しずつ愛着が沸いた。
「顔なんて、
似ない親子はごまんといるしな…」
考え過ぎだ。
妊娠期間中、
父という自覚もなければ納得もできず、
付き添いで産婦人科へ行ったことがあった。
日数計算をしても当てはまる。
母体血でDNA鑑定する方法もあったが、
なにしろ10万以上もかかる。
産むにも堕すにも金がかかる。
金のことばかり頭にチラつき、
千恵美が嘘ついているようには見えず、
責任を取ることを決めた。
もちろん、
望まない妊娠だったため、
中絶することを全面的に考えていたが、
この先、俺は誰と結婚する?
と考えてしまったのだ。