第4章 疑念
俺と嫁との会話の6割は、
息子である佑都に関すること。
「くー……かー……」
一人で眠る佑都の部屋に入ると、
大きな口を開けて
寝息を立てている佑都の側に寄る。
角に、
俺と佑都はあまり似てないと指摘された。
嫁の写真を見せると、
口元あたりが似ていると言われた。
「……俺の子、だよな……?」
精算したはずの疑念。
千恵美とは大学の頃に知り合い、
その中で関係を持った女の一人だった。
高校時代はそこそこ。
大学時代がピークで
世間に対する反抗期だったのかもしれない。
いいなと思った女と付き合って、
ステータスになりそうな都合のいい相手…、
殆どは排泄行為だけの相手だった。