第4章 疑念
深夜0時を回っていたが、
角の家に泊まるわけにも行かないので、
帰宅することにした。
ガチャ…ッ…
起こしたら迷惑だと思い、
物音を立てないように細心の注意を払う。
そのままシャワーを浴び、
寝巻を取りに夫婦の寝室のドアを開ける。
「……ん、…いま帰ったの…?
…おかえりなさい…」
「ああ…。
起こしたのなら悪い」
「…いま何時?遅かったのね…」
「……、佑都を見てくる」
メールでユウの家にいると辻褄を合わせた。
酒は飲んでないから、車で帰ってきたと。
詰まらない嘘。
だが俺にとっては重要で、
家に帰ってまで
会社のことを話したくなかった。