第3章 高熱
部下も、
嫁も、
息子も、
大事に想っている、か…。
「半分あってて間違ってるな。
俺は兄貴みたいに出来た人間じゃないよ」
「えっ?
…お兄さん…、いるん、ですか?
てっきり俺は、一人っ子とか長男、かと…」
「よく言われる」
責任感や行動力、
淡白なのはその通りだが、
俺のことを知らない奴は
第一声で、
長男もしくは一人っ子なのかと聞いてくる。
「兄貴とは5つも離れてるんだ。
その影響は多少あるのかもな。
…角は…、一人っ子か?」
「ええ…、はい。そうです」
自分の空間を持っているのが、
一人っ子っぽい。
角は正しくその通りだった。
色々写真を見せていくなかで、
ふと、
「息子さんって、
奥さん似、なんですか…?」
「あぁ…どうなんだろうな。
嫁の写真……」
「ああいえ、
奥さんが見たいとかじゃなくて…」
最近の写真から、
過去に遡っていき…
一枚の写真を見せたのであった。