第28章 職場キス
念願の実った恋。
恋とともに失恋し続けた現実から
ようやく解放された嬉しさ。
職場に行けば恋人と顔を合わせ、
昼食を一緒に食べ、
時間があった時はデートをする。
待ち続けた夢のような時間。
(今週末は長瀬とお泊りデート…)
長瀬が用意してくれた
テーマパーク行きのチケットを
天井に掲げて眺める。
どこに行こうかとか
何に乗ろうかとか
ランチタイムで相談をして、
今週末がとても待ち遠しくてたまらない。
どこかに出掛けたり
大衆に巻き込まれるのは
基本的に苦手だけれど
好きな人と行くのだったら別。
家でまったりイチャイチャするのもいい。
けど、
家の中ではできない
思い出づくりもしていきたい。
長瀬がいればなんだって楽しめる。
苦痛と感じるのは
俺がゲイで、
要するにひとりぼっちだったからだ。