第26章 友達
長瀬の幼い頃は
可愛らしいほっぺたの持ち主で、
成長とともにイケメンに育ったらしい。
「…可愛い」
「だろ~? 湊は犬と猫なら…」
「あぁいや、
長瀬の小さい頃が可愛いなと思って」
「あ。俺の話し?」
小さかった頃の長瀬は
さぞかし可愛いとモテはやされただろう。
小さい頃は誰だって可愛くて…
俺が、
可愛いと言われたのはいつだったか。
ふと横から視線を感じ、
長瀬がジッと俺の顔を見てくる。
「…なに?」
見つめてくる長瀬は
何も言ってこない。
ただ真剣に見つめてきて、
そっと耳に
髪をかけてきた。
「あれからずっと考えてた。
俺にとって角湊は何なのかなって。
こんなに相手を考えること、
今までなかった。
……湊。俺と、
付き合ってくれないか?」
「!…」