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【R18】Querer【創作BL】

第25章 一度だけ *





自分だけが気まずくなって、
それからまもなくして塾を辞めた。

あれから約8年。



長瀬に心を動かされつつあった日、
以前俺の心の大半を占めていた
先生とカフェの前で再会した。










「どうしたんだい?暗いな~角。
そんなんじゃお友達も
一緒にいて楽しくないだろう。ねえ?」


「まあたしかに角は見た目通り
暗いやつっすけど、
一緒にいて楽しくないワケじゃないですよ」


「!…」





何も言えない俺に
長瀬は
先生が放った言葉を否定してくれる。





「先生はお忙しそうですよね。

俺たち寒くて寒くて、
これからカフェで
のんびりしようと思ってた所なんです。
またお時間あったらお話しましょーよ」





にっこりと笑顔を崩さない長瀬。

俺が先生と再会した気まずさに
気付いてくれたのだろうか。



とても心強く感じてしまう。










この優しさをどう処理すればいい。










こんな優しさは俺は知らない。

ずっと陰にいたから。










これ以上、
好きにならない方法があったら…

誰か教えてくれ。


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