第25章 一度だけ *
ジンジンと尾を引く痛みは
先生のいう、
快楽というものになかなか転換されない。
「う、うう゛…っ」
痛い。
歯を食いしばる。
痛いと口にしても
涙を流しても
首を振っても
腕で押し返しても
先生は止めてくれようとはせず、
強く歯を立てたり吸ったりしてくる。
「もっと気持ち良さそうに泣けないのか?
唸ってちゃあ
先生も萎えちまうじゃないか」
「う、うう…」
生まれながらに男なんだ。
女みたいな高い声なんて出るはずもない。
自分の声が低い方だって自覚しているし、
抑揚のないトーンだから
表情筋といっしょで
伝わりにくいのも自覚している。
「ああもういいや。
このまま続けてたら手が出ちまいそうだ。
…角、しゃぶれ。
そうしたら先生も機嫌、
なおしてあげるから」
先生は苛立った声を漏らすと
散々いたぶってきた乳首から口を離し、
跨ぐように顔の上に乗ってきた。
「口を閉じてちゃ入れられないだろう。
ほら、先生が気持ち良くなるように
しゃぶるんだよ」
「あ、む゛…っ」
先生は楽しそうに笑っている。
遠慮がちに開けた口の中に捻じ込んできて、
じゃりっとした
陰毛が覆い被さってきた。