• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第25章 一度だけ *





2月の空は真っ暗。

白い息なんか出てきて、
ガチャッ…と
外よりも温かみのある玄関の灯りがついた。





「狭いけどあがって」


「…、…」





おじゃましますの声が出ない。

そこまで寒くないのに指先が
ジンジンと冷たくなって
小刻みに震える。





(あ…。先生の匂い…)





家の中に進むにつれ、
先生のコーヒーと混じった甘い匂いが
鼻の奥をくすぐってくる。

家の中には本がたくさんあって
パソコンの周りには資料が散らばっており、
テーブルに出しっぱなしにしていた
物を片付けはじめる先生。





「適当に座っていいよ。
飲み物どうしようかなぁ…。

温かいミルクコーヒーでいい?」


「あ、はい。お構いなく…」





これが先生が生活している空間。

目の見えるところにはシングルベッドがあり、
喉から心臓が上がってくるくらい
ドキドキしている。





(ブラウン系のベッド。
…なんかちょっと大人だ)





布団もシーツも枕の色も
暗めのブラウン系で統一され、

ますます心臓の音が加速されていった。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp