第3章 高熱
首から胸、脇をタオルで拭いていく。
(脇毛、薄いな…)
そもそも体毛が薄い。
俺もそこまで濃いってわけじゃないが。
「気持ちいか?」
「っ、また、ヘンなことを…」
「身体拭かれてさっぱりしないか、
って聞いたんだ」
また二度手間になることを言ってしまった。
どうもこうも、
角とは反りが合わない。
「んっ…」
「背中、いいのか…?」
「…ぅ、ん…」
妙に熱のこもった声。
高熱を出しているから当然なんだろうが。
(一瞬、なにを考えた……?)
確信と呼べるにはまだ浅はかで、
確かめることもできぬまま
新しい服に着替えさせた。