第3章 高熱
半分まで食べれなかったが
食欲がないと言った割には食べてくれた。
「飯食ったら温かくなったろ。
…身体、
拭いてやるから脱がせるぞ」
ベッドに上がる前にTシャツの裾を持ち上げる。
「?その手はなんだ。
自分で脱ぐのか…?」
「…い、いえ…。
もう一人で…大丈夫、ですから…」
歯切れ悪い返事。
人が親切心を働かせているのに、
裾を捲られまいと手を添えてきたのだ。
「一人で大丈夫って顔色でもないだろ。
それとも何か?
人に見られたくない身体でもしてんのか?」
筋トレは最近始めたばかりで
見せられない身体。
それとも刺青や昔の傷跡、
ワイルドなことになってしまっているのか。
「……い、いえ…。なんでも…」
俺とは目を合わせず、
大人しく脱がされることを選んだようだ。