第21章 合コン
俺の家に着くと
長瀬はぽかーんと
マンションを見上げていた。
「なーんだ。全然ボロじゃなかった」
「ガッカリさせたみたいだけど
謝らないぞ。
誰が噂してたのか興味もないけど…」
「俺が勝手に思ってたこと!
もしボロかったら俺の住んでるマンションに
呼んでやろうかなぁって思ってたんだけど
ちゃんと鍵締まるところで良かった!」
「世間にどういうイメージ持ってんだよ…」
少なくとも
中小企業のエリート組と呼ばれる
海外営業部に就職したのだ。
それなのにこの言われよう。
悪気はないのかニコニコしている。
「ボロじゃなかったから
部屋の中みても問題ないよなっ!」
「行き先告げる前に
部屋には入れないって言ったよな?」
「細かいことは気にすんなって。
何が部屋にあっても誰にも言わないし
俺たちの秘密にするからさ!
お願いっ」
「……」
押しに弱い、
自分をどうにかして欲しい。
グイグイ来られると
身体が期待して
一部が熱を持って…
そんな自分に途轍もなく高揚してしまった。