第21章 合コン
ようやく終了時間がやってきて、
立ち上がろうとした瞬間…
自分が酔っていることに気が付く。
(う゛っ……障子が、逆さまに…)
視界がグラグラ回ってる。
吐き気を覚えるほど
焦点が回っていて
どこに手をついているのかも定かじゃない。
「えっ?角くん、大丈夫?!」
「だ、だいじょー…」
「なになにどーしたの。
角、焦点あってるかぁ?
この指何本に見える?」
ふらつく身体を支えるように
ガタイのよい身体が密着してきた。
目の前に角ばった指を出されるも
何重にも見えて
本数なんて数えたくもない。
「あー…みんなごめん!!
二次会俺パスするわ!
湊をここに引っ張ったの俺だし、
無責任って訳にも行かないからさ。
また一緒に呑もうなっ、今日はホントごめんっ」
長瀬が謝っている声が聞こえる。
触れている身体が熱い。
酒が入っているから余計に熱く感じる。
(あぁ、ダメだ…。
これ以上
コイツの体温覚えたくない…っ…)
押し殺したい脈拍が
バクンバクンと打ち鳴り出した。