第19章 戻りたい

それからユウとは
四六時中ずっと一緒にいたから
クラス替えなんて存在しなきゃいい
と思っていたが

3年間ずっと同じクラス。



俺の個人的優遇はないにしろ、
学校側はユウが不登校児の事実を
知っているだろうから
番人として
俺とセットで考えてくれてたのだろうか。

おかげで楽しい3年間だった。










「卒業したくねえ…」


「うん、俺も。
…ちょっぴりだけど」


「ん。ちょっぴりってそんだけかよ」




高校2年から
仕事関係で学校を休んだりしたことが
急激に多くなった。

しかし学校に行けば
必ず顔を合わせることができる
楽しくて癒してくれるオアシス。



それなのにユウは
ちょっぴりしか寂しくないだなんて。





「高校卒業しても…俺たち友達だもんね。
だから俺は平気だよ。
アキがいたから、
ちゃんと最後まで学校行けたんだっ」


「3年間通してオール皆勤賞か。
俺も仕事がなけりゃ皆勤だったのに…」


「でも去年、
インフルエンザで休んでなかったっけ？」


「………忘れた」





普通の風邪は引かなかったのに
どっかの奴に移された
ウイルスには勝てなかった。

そんな苦い記憶も思い出しつつ、
卒業式前の春休み期間を過ごした。