第19章 戻りたい
「俺も最初…、
悪ふざけかと思って
されるのはイヤじゃなくって…
オカシイってコトだって
分かってたけど、
止められなく…なっちゃって…」
「………ん?」
急に話しの部分が見えなくなった。
エスカレートされたいじめが
嫌なことじゃなかった。
え?どういう事だ?
「男…同士で、
気持ち…悪い…だろうって
思うだろうけど…。
おれ、小学生だったから、
よく、分かってなくって…。
…触られたり、
触り合ったりするの…
イヤじゃなくなって…」
「それってつまり、
性的イタズラ…って奴か?」
そう聞くとユウはコクンと頷く。
つまりなんだ。
その男友達は
可愛いユウに触りたくなっちまって、
友達という形を利用して
嫌がらない程度に触ったのか。
ただのセクハラ行為じゃねえか。
「ま、まあ…アレだな。
人によってはぶっ飛ばすが、
気のあるヤツに触ってもらったら
気持ち良いよ…な。
それは抗えないのは俺でもよく分かる」
「……それで…
だんだんエスカレートしていって、
本番行為とか…したり、して…」
「っ…」
クソガキめ。
純粋なユウに手ェ出しやがって。
どっかで会ったらぶっ殺してやる。
「あぁいや、すまん。
続けてくれ」
腹が立ちすぎて、
地面を叩き割りそうになった。