第18章 隣りで *
ユウの気持ちを知って今だからこそ、
これ以上過ちを犯したくなくて
何をすることもできなくなってしまった。
赤司にはお互いのためにも
時間を空けた方が良いと言われ、
大人しく家に帰って数週間が経つ。
「アキさん…?主任…?」
「あ、あぁ…悪い。なんか言ったか?」
自分から湊に
ジュエリーショップに行こうと言ったのだが
ユウのことを考えていて
完全にうわの空になっていた。
「これが違和感なく付けられそうかなって」
「…そうだな。
俺もその指輪が良いと思ってた。
これに決定するか?」
「はい。主任が気に入ってくれたなら…」
「もうおまえの主任じゃないだろ。
すみません。
これでお願いします」
湊の在宅翻訳の仕事も軌道に乗っており、
毎日忙しそうに机に向かっている。
会社を辞めてからかれこれ1ヵ月近く。
事前に予約したお店で決めることができ、
購入の手続きを済ませる。
受け取り日付を確認してから店を後にした。