第17章 親友の涙

ユウが喜んだ顔が好きだ。

笑った顔も好きだ。

照れた顔も、

驚いた顔も、

珍しくちょっと怒った顔も。





初めて泣いた顔も

薄っすら涙を浮かべて逸らした顔も

話してくれて泣いて笑った顔も

映画でぐしゃぐしゃに泣いた顔も

お化け屋敷で涙を堪えた顔も

合格して嬉し涙を拭った顔も

結婚式の隅で泣いていた顔も



心が一緒に切なくなって、
ユウの頭や体ごと抱き寄せたくなった。










「俺のしてきたこと、全部…間違って…」










結果的にそれがすべて、
ユウを苦しめていた。

ユウは俺を友達として選んでくれたのに
俺は必要以上に心を掻き回した。

ユウが何をしても許してくれたのは
俺のことが好きだったから、
全部甘やかしてくれた。





ユウに謝りたい。

けれど掛ける言葉も見つからない。

ユウに触れたい。

けれどまた傷付けてしまう。





ユウのことは好きだけど、

俺には…





湊がいる。










「…くそ…っ…」




















ユウに会いに行きたい。
触れたい。
ただ抱きしめたい。

だが、どうすることも敵わなくて、地面に立ったままもがき苦しんだ。