第17章 親友の涙
鈍い鈍いと何度も言われ、
バカだとアホだの言われていい気はしない。
俺の方がユウのことを何倍も大切に想っている。
大切な友人だから
面と向かって話したいし
一番に喜んでほしいと思っている。
「ごちゃごちゃ言っても
バカには伝わんねぇだろうから
単刀直入にいう!
俺は兄貴が好きだ!!」
「ああ。それは知ってる。
俺も好きだ」
ユウの嫌いなところなんて一つもない。
男にしてはちょっとナヨッとしたところも
あるけど愛嬌でカバーされているし、
一緒にいて癒してくれる
パートナーに近い存在。
「んだぁああ伝わんねぇええ!!
俺が言ってんのはそっちじゃねぇ!!
アンタが湊さんのこと好きっていう方の好き。
湊さんがアンタのこと好きっていう方の好き。
俺は兄貴がそういう意味で好きで、
兄貴はアンタのこと
そういう意味で好きだっていう話し…っ」
これで分かったか!!と息を荒げ、
俺の中で…
「好き」という言葉の意味を理解した。