第14章 お泊り *
湊は俺に触られることを期待してる。
傷付けられたのを恐れているが、
同時に期待もしている。
「湊…おまえのことが好きなんだ。
だから、
最後まで抱きたい…っ…」
「だ、め…っ…、
見たら、また…っ…んぅ」
唇を押し重ねて、手のうえから愛撫する。
「湊のこと…男だって分かってたけど
よく分かってなかった。
おまえのことが可愛くて…
湊が可愛すぎて…
身体も男なんだって、あんま考えてなかった。
けど、好きなんだ。
どうしようもないくらい。
離れていてもおまえのこと考えちまう」
ふと思い耽ったとき、湊のことを考えてしまう。
なにしてんのかな。
もう起きたかな。
まだ寝てるかな。
この番組見てるかな。
なに食ったかな。
会いてえなって、
ふとした時に考えてしまう。
「傷付けて悪かった。
けどもう大丈夫。
おまえの裸思い出して…、慰めたから」
「っ…」
手で覆っていた力が緩んだ。
俺はそう。
湊のことをふと思い出して、
お風呂場で自慰をした。
真っ裸の湊を抱いて。
鮮明に焼き付いた男の身体を抱いていた。