第13章 初恋
期待して見詰めていると、
湊は「…俺のせいですか?」と口にした。
「違う。
お前の家に初めて行った時、
息子の写真見せたろ?
そこで似てないって言われて…
気になってDNA親子鑑定をしたんだ」
「…え…?」
「結果は親子否定、0%だった。
俺の種子なんて
何一つとして交わってなかったんだ」
湊が気付かせてくれた。
湊のセイなんかじゃないのにコイツは。
「それって、やっぱり俺のセイじゃ…」
「おまえは気付かせてくれたんだ。
出産前にもその後でも
調べる機会はいつでもあった。
…よかったよ。
嘘つきの嫁と一生涯尽くさなくって…」
もしも気付かせてくれなかったら
一生、騙されていたかもしれない。
血の繋がらない親子として
生涯を見送られるところだったかもしれない。
湊からの返事はない。
もう一押しすれば。
「家に泊めてくれないか?」