第13章 初恋
額から滲むほどのいい汗を掻いて、
汗をかいた湊も
Tシャツの胸元をパタパタとやっている。
「あっつ…」
「いい運動になったろ?」
「はい!たまには童心に
帰るのもいいですね!
楽しかったですっ」
「そりゃなにより」
明るい笑顔を見せられてドキッとする。
タオルで汗を拭い、
スポーツドリンクに口付ける。
夏の日は長い。
6時近くなってもまだ明るい時間帯。
ドッジボール仲間と別れて、車に乗り込み。
「夕食…、一緒に食べないか?」
「え?でもご家族が…」
湊の家に行きたい。
まだ、湊と一緒に…。
「……離婚することになった。
6年間も嫁に騙されてたんだよ…俺は…」
独り身になったと知れば、
同情して家に上げてくれるかと企んだ。
少なからずあったはずだ。
俺が嫁も息子もいる既婚者だって。
湊と一線を越えたい。
もう一度、チャンスがあるのなら。