第9章 濁音 *
いうことを聞かなかった俺に
長瀬のやってくることが
だんだんエスカレートしてきた。
「バイブの出力を最大にしてあげますね!
これでどうですか~?」
「フグゥ゛ッ…ォ゛…ウ゛ヴゥッ…ウ゛ー…」
埋め込まれたバイブが震える。
乳首もすでに感覚は異常。
「腕に刺したから効きが悪いんですかね?
両足に1本ずつ追加してあげますね!」
「フグゥッ゛…」
もう十分だってのに
2本も媚薬を打ち込みやがった。
正気を保ってんのが不思議なくらいだ。
痛みと怒り、それだけで気力が保てている。
頭の中が手放しそうなくらい朦朧としている。
たぶんもう一人で立てない。
視界が霞んでいるのだ。
力だってほとんど入っちゃいねえはず。
頑固な俺は、行き先を変更できない。
「ハァ…ア゛ァ゛…ハァ…」
息をするのも否になる。
何もかも熱く感じてしまう。
身体に力も入らなくなって、
時折…
自分でも何を言ってんのか
それくらい意識が
ぼーっと狂っていった。