第9章 濁音 *
はさみを取り出した長瀬は
俺をうつ伏せにさせ、
鋭利な刃先でケツを撫ではじめる。
「っ…」
「怪我させられたくなかったら
動かないでくださいね?」
「やめろっ!いうこと、聞くから…!!
頼む、由真っ」
「じゃあこのあと聞いてくださいね。
牛垣さんが気に入る命令してあげますから」
「っ、ふざけんな!
やめろっつってんだろ!!ヒィッ」
布が切られた音がする。
その破れた隙間から冷たい刃先を感じ、
ザク…ザク…っと静かに切られていく。
「くっ…」
「大人しくなってイイ子ですね。
スラックスが切れたら
次は下着です」
間違ったら皮膚や睾丸を切られてしまう。
そんなのにビビって動けなくなる身体。
悔しい。
何より屈辱的だ。
脱がされたなら未だしも、
お尻の穴が開くようにOの字に切られていく。
「お似合いですよ~、牛垣さん。
しっぽ付けてあげますね~」
「う、ぐぅッ」
「さすがに狭いな~。
でも無理やり押せば入るか!」
「ッ!?」
尻の穴に何か異物を入れられた。
浣腸されたような違和感。
振り向いた方向を確認すると
そこには
牛のしっぽのようなものが付けられていた。