第8章 白濁
「気に入っていただけました?」
ドッ…
耳後ろで、生々しく囁かれる吐息。
「高校の時からずっと集めてたんです」
ドッ…
触れるか、触れないかのギリギリの距離。
「湊のやつには感謝しないと」
「ッ──…おま、、」
ガッ!!
立っていられないほどグラつく視線。
鈍くて重い痛み。
振り向こうとした矢先、
なにかで思いきり後頭部を叩かれた。
「ぐゥッ」
「こんな乱暴はしたくなかったんですけど、
今回は俺の愛に免じて許してください。
今日はちょうど目の前にいるので
たくさんの貴方に見られながら
ここで俺たちの愛を育みましょうか」
暗い暗い部屋の中に引きずり込まれる。
扉を閉ざされた時にはもう、
…俺の身動きはとれなくなっていた。