第4章 揺らして
3人がけのソファで、少し間を開けて座る。
部屋を暗くして切ないラブストーリーをぼんやりと眺めた。
外はもう夕日が沈みかけている。
隣にはテレビの画面をじっと見つめたフーゴが居た。
思い切って部屋に招き入れてしまったけれど、少し後悔していた。
変に緊張してしまって上手く話せないし、だからといって不自然過ぎると勘づかれてしまうかも。
10何年生きてきて、自分が恋にこんなに不器用だったとは知らなかった。
出会ってまだ数日の彼に、こんなに虜にさせられるなんて。
誤魔化すように私はテーブルに置いてあった紅茶を飲み干した。
それに釣られたのかフーゴも静かにカップに手を伸ばした。
画面に集中出来ないまま、90分の映画はあっという間に終わった。