第3章 気付き
翌日。
アジトに向かうと、何やら騒がしい声が聞こえた。
「おはよう・・・ございます・・・」
「お!お前がジョルノの言ってた新入りかァ!」
初めて見る顔だった。
ジョルノやフーゴよりも幼さを残した、オレンジ色のバンダナを身につけた彼。
「俺、ナランチャっつーんだ。お前は?」
ニコニコした笑顔で丸い目を大きく開いて問いかけてくる。
「ナマエ・・・でs「ナマエ・・・ナマエ・・・おし、覚えたぞ〜!!」
元気よく肩を組んでくる彼は、昨日の出来事も忘れさせてくれる。
「おいナランチャ!お前、学校はどうした!」
奥の部屋から顔を出したのはフーゴ。
「今日は休講だぜ!たまには俺の顔も見てえだろ?なぁフーゴ!」
「はぁ・・・別に見たくないよ、休講だからってわざわざ来る必要は無いだろ」
「なんだよつれねぇな〜!そういえばよォ、フーゴ、ナマエのボディガードしてるらしいじゃねぇか!」
フーゴとナランチャは何やら仲良さげに話している。
私はそんなふたりが何だか微笑ましくて、黙って眺めていた。
「そうですが・・・それが?」
「ほほーん、フーゴお前、ナマエといつも2人なのか?」
ニヤニヤしながらナランチャはフーゴに尋ねている。
「だからそれがなんだって言うんだよ。」
「いーや、なんでもねえよ?ただ女嫌いのフーゴがよくそんな仕事を請け負ったなと思ってよ?」
ナランチャの言葉に反応してしまう。気にしていない素振りでチラッとフーゴを見てみる。
フーゴは一瞬目を見開いたが、すぐにいつも通りの冷静さを取り戻した。
「ボスからの仕事なんだ、当たり前だろ。」
向かいの椅子に座りながら、当然のように話す。
「前までなら数時間でも女と一緒に居るのが嫌だっつってたのによォ、フーゴ、お前も成長したもんだなァ!」
ナランチャは馬鹿にしたように笑いながらフーゴを指さしてそう言った。
「ナランチャ・・・お前・・・」
机の上で握りしめた手をプルプル震わせてフーゴがナランチャの胸ぐらを掴んだ。
「お前ッッ!!!!!」