第1章 落ちて
私の両親はギャングだった。
国に認められていない医薬品と称した麻薬を売っては組織に金を入れる、目立たないチームではあったが
確かに両親はギャングだった。
パッショーネにおいての縁の下の力持ちで
私の家族は代々受け継いでギャングの一員になっている。
そう、つまり私も。
私の家に殺人犯が来ていることも少なくなかった。
田舎に家があったので、警察から逃れてきた者が隠れ家に使っていた。
両親は医薬品と騙して麻薬を売買していた為、数え切れない人から恨まれていただろう。
だから私の姿を社会から隠して育てていた。私を知る人間はギャングの組織の1部だけ。私には友人や親しい人間はいない。
ただ1人、母の兄だけは私の事を愛してくれていた。
彼は私がギャングだとは知らないからだ。