第2章 ようこそ
何も話すことも無くアジトに戻る。
涙は引いたけれど頬が冷たく感じる。
何故か少し気まずさを感じてフーゴの姿を見ることが出来なかった。
ジョルノが不在だったので書斎に書類なり薬物なりを置いて、今日の仕事はもう終わることになった。
「・・・お疲れ様でした。今日はゆっくり休んでください」
下を向いてばっかりの私に、優しい声でそう言ってくれる。
「ありがとう。ごめんねフーゴ」
「いえ。送ります」
静かにエレベーターを登って私の部屋まで送迎してくれる。
こういう時に、変に声をかけてこないところに、無言の優しさを感じた。
フーゴは本当に、優しいな。
「ありがとう、フーゴ。おやすみなさい」
ドアの前で言うと、フーゴは暫くじっと私を見た。
「おやすみなさい」