第2章 ようこそ
「ナマエ・・・今夜、眠る宿はあるのかい?」
「っえ?」
無い。けれどボスともなる人間がそんなふうに脅すなんて思ってもいなかった。
「ない・・・ですけど」
「お金は?いくら持っているんだい?」
「あまり・・・無い・・・ですが、そんな風に聞いても私は組織には残りたくありません!」
「ナマエ。君の将来を考えて僕は言っているんだ。必ず組織は君を幸せにする。君の両親や・・・・・・君の母親のお兄さんの分まで・・・・・・・」
母親のお兄さんの分まで・・・・・。
その言葉で目を覚まされた気がした。
彼は私のことを愛してくれた、唯一のカタギだ。ああなんで彼は巻き込まれてしまったんだろう。兄さんは誰に殺されたんだろう。
兄さんの分まで・・・生きなければ・・・・・・・・。
「本当に・・・私には何もできません・・・、迷惑しかかけないと思う。それでも本当にいいんですか?あなたはどうして・・・」
「いいんだ。君が必要なんだ。」
確かに目が合った。また足の痛みがじんじん感じた。
体の血がめぐり、鼓動に乗って痛みが流れてくる。その時初めて、私は正式に組織の人間になったのだ。