第1章 落ちて
私の両親が扱っていた麻薬のルートは全て、きちんとノートにまとめられていた。
そういうマメなところが私に遺伝したのは有難かった。
「協力・・・・・・?」
「ああ。一度、ボスに会ってくれないか。その様子だと今日で退院出来そうだしな。」
ボス・・・そんな人に会いたくなんかない。
もちろん私を狙う奴らはギャングじゃない一般人だ。
彼らは被害者なのだ。私の両親に麻薬を売られた、殺された。
組織が関わってくるとますます彼らは私を恨むだろう。
私は、私自身で両親の罪を償うべきじゃあないのか?
でも会って、直接辞めたいという旨を伝えることだってできるのか・・・?
それなら早く伝えたい。
「分かりました・・・。」
そして翌日、私はボスに会いに
1度来たことのある彼の「仕事場」にまた向かう事になった。
あの時は開いていてわからなかったが、私の寝たソファのある部屋の扉は重厚で、絵にかいたような「社長室」。
こんな所で呑気に寝ていたなんて・・・。
「ジョルノ。失礼する」
彼がその言葉を合図に扉を開けると、例の書斎には金色の髪をした少年が腰かけていた。